Translator's BLOG


選挙で「最後のお願い」というのは、よく聞くフレーズですが。

ギリギリまで街宣車や辻立ちで投票のお願いをするのを見ては、「悪あがき」と思っていました。

だけど、やるとやらないのとでは投票の伸びがかなり違うそうで、ふたを開けてみたら僅差で逆転なんてこともあります。


同業の友人が挑戦しているクラファン(このブログでも何度か紹介させていただきました)も残り1週間となり、なかなか厳しい状況です。

先日、クラファン支援のプロをご紹介いただき、友人と一緒にお話をうかがったら、事前の準備が大切なことや、いろいろとコツがあったことを知りました。やっぱり何でもプロならではのノウハウがあるのだと実感。今からでもできることを教えていただき、友人はクラファン仲間と頑張っています。(エイコさん、ありがとうございました!)

素人ばかりで、ここまでの金額を集めたのは本当にすごい! それだけ多くの方の心を動かしたことも素晴らしいし、協力してくれた方々にも感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです。私から言うのもなんですが、友人としてお礼を言わせてください。心からありがとうございます♡

悪あがきでも、最後の最後まで私も応援します!

少しでも興味を持っていただけたら、ぜひサイトをご覧ください。特別養子縁組について知っていただけるだけでも、クラファンの意義があります!


どの仕事も同じだと思いますが、悪あがきって何かを長く続けるには大事なこと。才能がないと言われも、センスがないと言われても、あきらめずに悪あがきしていると、いつの間にか成果が出ていたりするものです。

トライアルに何度落ちても、やがてコツをつかんだり、別の会社でスルッと受かったり、意外なところから仕事に繋がったり。一度や二度の失敗なんて誰でもあるし、長くやればそれだけ失敗の数も増えます。(もちろん頻度は減りますが、残念ながらゼロにはならない。)

開き直るのはよくないけれど、反省して改善すべきところは改善して、また続ける。その繰り返しの中でたまに手ごたえを感じたら、また頑張れる。続けるというのは、そういうことかなと思います。

私は憧れが原動力ということもあり、キラキラを表に出すタイプですが、20年間ずっと悪あがきをしていると自負しています。

スンとすまして(また虎ちゃん風)裏で泥臭くやるのでも、泥臭さを前面に出してやるのでも、自分らしくやればいい。

悪あがき上等! 見ている人は見ているし、応援してくれています。


『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』絶賛上映中!

多くの感想をいただき、感激しています。ありがとうございます♡

『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』好評上映中!

こちらもテレビで紹介され、口コミで広がっているようでうれしいです。ロードムービー好きは必見♡

☆なぜかノートPCから写真をアップできず(泣)。あとでデスクトップから追加します!

字幕担当作の公開が続いております。…と言うと、売れっ子感がありますが、たまたま2作が立て続けに公開になっただけ。それでも、1つの映画館に2作がかかるというのは、めちゃくちゃうれしい!

しかも、ヒューマンドラマとロードムービーという大好きなジャンルの2本。上半期の締めくくり&下半期のスタートに最高のご褒美期間となりました。


担当作が公開になると「忙しそう」と言われたりしますが、当然ながら翻訳する時期はだいぶ前。忙しい時期はとっくに過ぎて、実はヒマなことも大いにあります。(あまり大きな声で言いたくないけれど。)

今回は(も?)スケジュールに余裕があったので、両方とも公開初日に友人を誘って映画館へ行きました。

『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』の初日、東京は土砂降り。そんな中、劇場に足を運んでくれた観客の方々を見て感激♡

半分くらいの入りでしたが、皆さん映画に入り込んでくれているのが伝わって、ウルッとしました。アンソニー・ホプキンスの表情がすばらしく、またもや彼の心情に引き込まれました。彼のちょっとしたユーモアにクスッと笑い声が聞こえて、「あ、気づいてくれた」とひそかにガッツポーズ。

別の場所で観た友人からは「4分の3は入ってたよ!」との報告があり、わざわざ教えてくれたのも、ありがたかったです。さらに2週間後の週末に別の場所で観た時は、ほぼ満席でした。やった~!

7月公開の『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』も友人と鑑賞。早めに着いたら観客が1人しかいなくて青ざめましたが、始まる前にぞくぞくと入ってきてホッ。予告編がやたらと長かったので、慣れている人たちは、あえてのギリギリ狙いだったのかも?

マクレガー父娘が熱唱するシーンは胸にズキュンと響いたし、2人の言い合いも切なかった。こちらもスクリーンで観るとユアンの父親らしい表情が何ともよくて、名優は顔で語るんだなぁとしみじみ思いました。

一緒に観た友人が熱唱シーンの予告編を見つけてくれたので、ぜひご覧ください♪


劇場公開作を手がけるというのは、映像翻訳者の大きな夢の1つですが、そのだいご味は観客の反応をダイレクトに感じられることだと実感しています。少なくとも私にとってはそう。観客の反応から「あ、伝わった♡」と感じられた時が、何よりもうれしい。本当は観客全員に感想を聞いて回りたい! (怖いけれど!)

最近はSNSでも感想を読めるし(これも怖いけれど!)、感想を直接伝えてくれる人もいて、すごくありがたい♡ 訳してよかった、この作品が来てくれてよかったと心から思います。

さっきから「怖い」と書いているように、劇場で誤訳を見つけないかドキドキするし、何よりも作品の魅力を損なっていないか観る前に急に不安になったりします。だけど、「伝わった」という実感が得られた時の快感があるから、やめられない! やっぱり、できるだけ初日に足を運びます!

お付き合いいただいた友人たちにも感謝♡

写真は友人のネイルがかわいかったので、いただきました。

『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』も絶賛上映中! 感想をお聞かせいただければ、ますますお仕事を頑張れます!


ユアン・マクレガーと言えば、私の世代は90年代に一世を風靡した『トレインスポッティング』

ダメダメな人生から抜け出そうとする愛嬌があって憎めない男。そんな彼に夢中になった人も多いはず。石田泰子さんの字幕も最高でした!

その後、スター俳優となり、数々の大作に出て大活躍。

こんなに立派になって…と距離を感じていたら、20年ぶりの続編『T2 トレインスポッティング』でもまるで成長してなくて、呆れたというかホッとしたというか(笑)


そんなユアンが元アル中(*)で家を出たダメ親父を演じるのが字幕を担当した『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』

(*字幕では「アル中」→「アルコール依存症」と言い換えることが多いけれど、個人ブログなので、あえてこちらで。)

しかもロードムービー!

脚本は娘のクララ・マクレガーで、娘役で登場。父娘の葛藤と再生の物語です。

実際にユアンの離婚で父娘が疎遠だった時期があるらしく、2人のやり取りがものすごくリアル。ちょっとした会話がよくて、字幕にするのが楽しかった!


2人が激しく言い合うシーンは、見ていて胸が痛くなるほど。わざと相手が傷つく言葉をぶつける娘と、口下手でうまく言葉にできない父。

こういう言葉を訳す時、どんな気持ちで言ってる?これほど激しい口調で言うのは、どんな日本語?どうしたら、この言い合いのリズムをそのまま伝えられる?…そんなことを自問自答しながら言葉を選びます。

言い合いにかぎらず、会話は原音のリズムを壊さずに日本語で伝えたい。そういうところは、ちょっと吹替翻訳っぽいかも。読んでいるのに読んでいない字幕が理想です。

2人で熱唱する「Bleeding Love」もすご~くよくて、歌えるくらいリズムに乗るよう意識して訳しました。うまくいっていたら、うれしい!


そんなわけで『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』、とってもお薦めです。

トレスポを観直したくなっちゃうかも。

(なぜか画像を挿入できず、今回は文章のみ。残念!)

*あとから入れられました!ホッ♡

読みにくいタイトル!

前回のブログで紹介した「ADAPTION FOR HAPPINESS = アダプション・フォー・ハピネス」のクラファンの話をした時のこと。

クラファンを始めた友人のことを「すごい人だね」と言われて、思わず「普通の人だよ。やってることがすごいだけ!」と返していました。

否定されたわけでもないのに、ちょっとむきになってた自分に気づき、「はて?」(虎ちゃん風)と考えたところ、線引きをされた気がしたんだと気づいたのです。


「すごい人」=「自分とは違う世界の人」みたいな。


確かに、クラファンをすること自体がすごいし、この企画を立てるのも、実現するのも本当にすごいし、私もこれを始めた友人を尊敬しています。

でも、たまにご飯を食べたり飲んだりする友人なので、すごい人じゃないことも知ってる(笑)

養子の手続きで苦労している姿も、仕事で悩んでいた姿も、見てきました。

普通…という言葉はあまり好きではないけれど、「特別じゃない」という意味では「普通の人」です。普通の人がやるから、すごいことなんだと思うし、だからこそ尊敬するし、応援したくなる。

「すごい人」で終わらせてしまうと、その人の頑張りに想いを馳せられない気がします。


そんなことを考えたのは、たぶん字幕を担当した映画『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』が頭にあったから。(はい、宣伝タイム!)

第二次世界大戦直前に、プラハにいたユダヤ系の子供たちをイギリスへ列車で移送したニコラス・ウィントンの実話です。

そう聞くと、偉人伝のようですが、実際には「普通の人」であるニコラスが強い信念と柔軟なアイデアで周りを巻き込み、偉業を成し遂げた話です。

年老いたニコラスをアンソニー・ホプキンスが演じることで、ユーモラスな人柄と偉業の陰にある葛藤が伝わり、物語を一層リアルにしています。

この映画の中で私が好きな言葉がこちら。

an army of ordinary

直訳すると「普通の人の集団」ですが、字幕は「普通の人の団結」としました。

ニコラスの決意と想いが込められたセリフなので、それが伝わったらうれしい。


というわけで、『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』は6月21日より公開!

すごいことをしている人のすごくないところに目を向けると、物事の見方が変わると気づいた今日この頃です。

紫陽花の季節になりました。近所の沿線や散歩道の紫陽花を見るのが楽しみな毎日です。

ブログを書いていると意外な人から意外な反応があったりして、そういうところも発信する楽しみでもあります。

先日のブログ「やめても、やめなくても」を読んでメッセージを送ってくれた友人が、数年前からフリーランスになっていて、その流れで「仕事がどうなるか分からないけれど、種まき大事だよね」という話になりました。

そう、種まき大事。

芽が出るかどうか分からないけれど、とりあえずまいてみる。腐った種をまけとは言わないけれど、あれこれ考えすぎずにまく。思ったとおり芽を出すこともあるし、意外なところから意外な芽を出すこともある。(ブログと同じ!)

映像翻訳の仕事で言えば、トライアルを片っ端から受けるとか、制作会社や翻訳会社に経歴書を送るとか、問い合わせてみるとか、そういうのも種まき。ご挨拶に行くのもそう。

知り合いに「映像翻訳の仕事をしてます、探してます」と伝えたり、SNSで発信するのも種まきです。

仕事には直接関係がなくても興味のあることを学んでみたり深堀してみたり、オフ会やセミナーや勉強会に顔を出すのも種まき。


すぐに芽を出す種もあるけれど、たいてい時間がかかります。忘れた頃に出てきたり、「え?こんな芽なの?」ということもあったり。まったく芽を出さないこともある。

そういうのも全部ひっくるめて楽しめると、フリーランスという生き方がすごく面白くなる気がします。

計画どおりに種をまいて、きっちり回収したい人には向かないかも(笑)


そんなわけで、友人が「養子を迎えたらおめでとうと言ってもらえる社会」「翻訳者が自分で仕事を生み出し、適正な価格を得られる社会」を目指し、種をまきました。

ただいま、クラウドファンディングに挑戦中。どんな芽が出るか少しでも興味を引かれたら、応援してもらえると嬉しいです。

「特別養子縁組」が「特別」でなくなる社会を作りたい!


私も種まき↓

字幕担当作が近日公開! アンソニー・ホプキンス主演の実話と、ユアン・マクレガー父娘の共演。どちらも心からお薦めです!

『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』(6月21日~全国順次公開)

『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』(7月5日~全国順次公開)

同業者が70人以上も集まったオフ会の話のあとではありますが。

この仕事を20年も続けていると、やめていく仲間も数多く見ています。やめると宣言する人、フェードアウトしていく人、仕事の内容が合わない、仕事のスタイルが合わない、家庭の事情などで続けるのが難しい…。やめ方も理由もさまざま。


仕事を始めた頃は、翻訳のスピードと質が追いつかなかったり、安い仕事ばかりだったり、理不尽な思いをすることもあったり。理想と現実の差に失望することも。早々に見切りをつける人が多いですが、キャリアを積んでからも、第一線で活躍する人でも、やめる人はいます。


私も第2子を産んだ時に「このままフェードアウトしてもいいかな」と思ったし、映像翻訳の仕事が半年くらい空いて、他の仕事を探してみた時期もありました。探してみたら、できることも他にやりたいこともなくて、やっぱり字幕の仕事がいいと気付いたという・・・。

やめないのは、やめる理由がないから、他にできることがないから。

この仕事が大好きで向いていると思うし、ずっと続けたいけれど、何が何でも絶対に・・・という強い気持ちはなくなりました。

だいぶ前までは「しがみついてでも続ける!」と意気込んでいましたが、同業の友人に「そんなに気負わなくても、仕事があるうちは続けようかなくらいでいいんじゃない」と言われたのが、すごく響いたんです。その考え方を取り入れるようになったら、ずいぶん気がラクになりました。

執着してしまうと視野が狭くなってしまうけれど、いつでも手放す覚悟でいると、広く見渡せて自分の立ち位置を客観的に見られる気がします。


何を言いたいかと言うと、映像翻訳の仕事をやめるのも、そのくらいの気軽さでいいと思うんです。やめる時は挫折のように感じる人もいるかもしれないけれど、1つのことをやめることは他の道に進むスタートでもある。もっと合う仕事に出会えるきっかけにもなります。長い目で見たら、話のネタが1つ増えたくらいのことかもしれない。それに、やっぱりやりたいと思ったら、しれっと戻ってくればいい。

映像翻訳はすばらしい仕事だけれど、自分が自信を持てる仕事が何よりもすばらしい。

ふと、そんなことを伝えたくなったのでした。


写真は早めのバースデー祝いにいただいたお花。いつもありがとう♡

今回の話題はこれしかないでしょ!

というわけで、5月11日(土)に「Wakka1周年パーティー」と銘打って初のWakka会員限定リアルオフ会が開催されました。

会員約250人のうち運営も含めて72人が参加。しかも今回は見事に女性ばかり!映像翻訳者は女性が多いのは知っていたけれど、まさか女子会になるとは。壮観でした(笑)


会の流れが決まったのが直前だったので(すみません!)、かなりバタバタでしたが、運営チームとお手伝いチームの連携のおかげで何とか間に合いました。ありがたや♡

あゆさん(今回は残念ながら欠席)が用意してくれた運営バッジと、すーさんお手製の腕章をつけて準備万端!


オフ会は初めてという方や、1人で参加する方が多そうだったので、最初だけいくつかのテーブルに札を置きました。どこに座ればいいか分からないという人の目安にするためと、話のきっかけ作りのためです。

みんなで考えて「吹き替え」「字幕」「学習中~歴浅」「マイナー言語LOVE」を用意。他にもいろいろ案はあったのだけど、あまり多くても…ということで絞り込みました。札が見えにくかったという反省点はありますが、これ、なかなかよかったようです。


会員同士の交流がメインなので、アトラクションなどは用意しなかったのですが、宣伝タイム質問タイムを設けました。

宣伝タイムでは有志が著書やプロジェクトや講座を宣伝。こんなことやってるんだ~!と、刺激になった方も多いはず。(私も!)

質問タイムではお金の話が盛り上がりました(笑)

第一線で活躍する翻訳者の方々から祝辞やエールをいただけたのも、うれしかった!

(お忙しい中、ありがとうございます♡)

お誕生日の会員2人(我らがちーさんと、三国志大好きTさん)のお祝いもしました。Tさんの「推しの諸葛孔明さんの享年と同じになり感無量」に爆笑。諸葛孔明に「さん」をつける人、初めて見た!映像翻訳者らしい偏愛に親近感。ちーさんのフランス愛も相当ですが♡


今回、運営あやさんと一緒に司会進行をしたのですが、あやさんの機転の利き方が神でした。料理のタイミングを確認したり、ドリンクの位置を相談したり。さすが映画の買い付けから配給までやってるだけある!(あやさんの仕事の話はこちら。現在『リトル・エッラ』が公開中。これ、ほっこりしてお薦めです♡)


私はと言えば、皆さんがワイワイと交流してるのを見ていたら、それだけで満足してしまいました。1人でいる人がいたら声をかけよう!と意気込んでいたのに、出番もなく(笑)

去年の納涼会では張り切りすぎて鼻血が出たのに、今回はラクしちゃいました。

名刺もいただいたのは20枚ほど。もう少し積極的に話しかければよかったと、ちょっと反省。だけど、皆さんの楽しそうな顔を見ていたら、それだけで幸せで。とってもうれしかったのです。


パーティーの間は、多くの方が「Wakkaを作ってくれてありがとう」とわざわざ伝えてに来てくれて感激しました。

まだまだ試行錯誤中で発展途上のWakkaを見守って応援してくれて、こちらこそ感謝でいっぱいです。心から、ありがとうございます♡


さすがにその日の夜は10時にバタンキュー。ところがオフ会パワーで覚醒したのか、月曜日の運営のSlackは史上最高に活発!新しい企画も次々と出ました。オフ会パワー、恐るべし!何よりも会員のお顔を見て話せて楽しかった!

周年パーティーは毎年の恒例にしたい♪東京以外でも海外でも、オフ会したい♪♪


ご参加いただいた皆さま、ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!


今回話せなかった方、参加できなかった方、ぜひぜひ次のお楽しみにしましょう。それまで掲示板やコメントで交流できたら励みになります。

次回は男性の参加もお待ちしています!


浅く広いつながりも深いつながりも、大切。

これからも、映像翻訳者の会Wakkaをどうぞよろしくお願いいたします。

世間ではGWですが、満喫していますか?

フリーランス翻訳者にとってはクライアントさんからの連絡が減るくらい。

むしろ、子供が小さい頃は「GW=仕事が進まない」魔の期間。

今でこそGWを静観できるようになりましたが、少し前までは「早く終われ」と呪いをかけていたものです。(GWを楽しみにしている皆さま、ごめんなさい。)

今年はさっさと長期バカンスを楽しんだので、息抜きしつつ穏やかな気持ちで仕事にいそしんでおります。


さて、その長期バカンスで学んだことの1つ。

それは私にとって自由とは「行動」を意味するということ。

つまり「自由に動けること=自由」です。


自分らしく生きるために自由は不可欠ですが、どんな自由に幸せを感じるかは人によって違う。

「自由=お金を自由に使えること」な人がいれば、「自由=好きな仕事をすること」や「好きな格好をすること」「好きな人といること」「自由に表現すること」な人もいる。

その人の状況や環境によって、変わってくると気づきました。


3週間、ドイツとフランスを動き回っている間、私はものすごく自由を感じました。たとえ貧乏旅行でも1人でも、行きたい場所へ行けることが何よりの幸せ。

これはたぶん、長い子育て期間に「動けない」窮屈さを募らせていたから。仕事も来たら「受けなきゃ!」と必死だったので、休みを取るのが怖かった…。

今思うと、あの頃ももっと自由に動いてよかったのに、自分で枠を作っていた気がします。


そういう時期があったからこそ、今の私には自由に動けることが何よりも幸せ。

3週間思う存分動き回ってみたら、私の「動けない」期間のよどんだ気持ちは吹っ飛びました!

一気に気持ちが軽くなったので、より気軽に身軽に動けます♪

行きたいと思ったら行くことが大事。遠くが無理なら近くへ。

小さな動きと大きな動きを組み合わせて自由でいること。

これが私がHappyでいるために大切なことです。

あなたにとって大切な自由は何ですか?


写真はパリ最終日に見た景色。今度はいつ行こうかな♪

ようやく観ました、『オッペンハイマー

クリストファー・ノーラン監督の作品は大好きだけれど、さすがに今回は題材と長さからちょっと躊躇…。ノーラン好きな次男が「行く!」と言うので、デートを目当てに行ってきました。


ノーラン監督お得意の時系列が入り乱れる構成、それが今回は2人の視点から描かれるため複雑なこと、当時のアメリカの政治についてある程度の知識が必要と聞いていたので、しっかり予習をして臨みました。(って、直前にいくつかネタバレなしの予習をネットで検索して読んだだけですが。)

おかげで、『テネット』ほど置いてきぼりにならず、あっという間の3時間でした!


原爆を作った歴史的人物の逸話というよりも、オッペンハイマーという天才物理学者の頭の中(ひらめき、興奮、悩み、葛藤…)を体感するような物語。そのすさまじさに飲み込まれ、圧倒されました。

天才科学者というものは、どんな恐ろしい結果を招くか予測できていても、自身の理論が正しいことを証明したいという衝動を抑えられないものなのか…。

さらに、それを利用するために大義名分をつける政治屋(あえての屋)たち。

日本人としてはモヤるところも多い作品ですが、原爆を落とした側の視点や、戦時中の日本とアメリカの差を知ることは、愚かな失敗を繰り返さないためにも大切だと感じました。

戦争がいかに人を愚かにするかを痛感します。あるいは愚かだから戦争をするのか…。


映画については観ていただくとして、やっぱり字幕翻訳者としては字幕の話は外せません。

いやもう、字幕の素晴らしさにも圧倒されました!

翻訳者は私が愛してやまない石田泰子さん。もうね、とにかくすごいです。

字幕大賞をあげたいくらい感動しました。(私があげても何の効力もないですけども!)


何しろ3時間しゃべりっぱなし。

おそらく字幕は3000枚近く!

90分程度の長尺で1100~1300枚(1500枚あると多すぎ、1000枚以下ならラッキー!)なので、尺が倍と考えても吐きそうな量です。

これだけの字幕を訳すには相当の集中力を持続させなければならず、考えただけでもノイローゼになりそう。

しかも物理学と政治の話が入り乱れ、史実で群像劇。人物の相関関係を整理するだけでも大変です。

これを映画としての流れを途切れさせることなく、字数制限の中で必要な情報を選んで字幕にするというのは、職人技以外の何ものでもありません。


絶対にブログに書くぞと意気込んで行った私がメモできた字幕は最初のほうの数枚だけ。

原音の英語が難しすぎて、早々にギブアップして映画に集中しました(笑)

というわけで、私が書き取れた中でシビれたのはストロースのセリフ。


How could this man who saw so much be so blind?

慧眼にして盲目とはな    *慧眼に「けいがん」のルビ


かっこいい!!!

「慧眼」とは「物事の本質を鋭く見抜く洞察力」(日本国語大辞典)。

直訳すれば「これだけ洞察力のある男(オッペンハイマー)が、なぜこうも盲目になれる?」。それを「慧眼」と「盲目」という対照的な言葉を対にすることで、字面(じづら)が引き締まります。

また、説明的なセリフが多い本作だからこそ、こういうひと目で頭に入る字幕を入れることでメリハリがつく。ストロースの冷たい表情にも合って、胸に突き刺さりました。

他にも日本人になじみのない組織や人物が頭に入りやすいよう、あちこちに訳の工夫が見られました。こういうのって、たぶん同業者じゃないと気づかない。なので、僭越ながら声を大にして称賛させていただきます!


正直なところ、これだけ素晴らしい字幕を見てしまうと、同じ字幕翻訳者を名乗るのがおこがましく感じてしまう。

だけど、こうして「もっと頑張ろう!」と思わせてくれる存在がいるのは本当にありがたい。

2時間の作品を訳すのに萎えてる場合じゃないと、奮い立たせてくれました。

急に暖かくなり、せっせと冬物を洗っています。

いつもは朝ラン派の私ですが、あまりに天気がいいので納品後に夕方ランをしてきました。

旅行後、だいぶサボっていたので体が重かったけれど、明るいうちにお風呂に入ってスッキリ! クセになりそうです。


さて、今回はフリーランスで受け身は損だよ!という話。

映像翻訳者の会 Wakkaを運営して1年、活用している人としていない人の差を感じています。活用している人は、公開プロフを出したり、作品を宣伝したり、掲示板でオフ会を呼びかけたり、それに応えたり、コメントしたり、SNSなどで感想をくれたり、リアクションしたり、出会いのきっかけにしたり。ほかの人の公開プロフを見て、アピールの仕方を学んだり、コンテンツを参考にするのも活用。そんな時には「これが役に立った」と何らかの形で教えてくれると、うれしいです!

それに、目に見える形でアクションを起こすと、意外なご縁につながったりします。

フリーランスは何がきっかけで仕事につながるか分からないもの。小さなアクションでも起こす人と起こさない人では、巡ってくるチャンスが変わってくる。すぐに形にならなくても、長い目でアクションを起こし続けることが、すごく大事!


私はこうしてHPを作ってブログを書いていることからも分かるように、発信するのが好きだし、アピール力が強め。人と話すのも大好きで、面白そうと思ったら積極的に働きかけます。(自分でもようやるな~と思いますがw)

それでも、最初にHPを公開する時はものすごく緊張したし、勇気が要りました。ブログも毎回ドキドキしながら投稿しています。

だけど、こうしてHPを公開してブログを投稿することで、想像を超えた出会いや仕事に巡り合えているので、やめられません!

何よりも、自分を知ってもらうのって、フリーランスにとってはメリットが大きい。


人付き合いや仕事へのスタンスは人それぞれなので、自分が心地よく続けられるペースが一番。ただ、フリーランスで働くと決めたのなら、「受け身は損だよ!」と、声を大にして言いたい。

アクションを起こした人にしか訪れないチャンス。それを意識すると、Wakkaの使い方も変わってくるかも?


写真は空港に向かう前のフランクルトのカフェ。”Merci!”と言って笑われたのも、すでに懐かしい♡

春ですね♪ 桜が咲くだけで、こんなに心が浮き立つのが不思議です。

インスタをフォローしていただいてる方はご存じですが、3月に3週間のドイツ&フランス旅行をしてきました。

(インスタの旅行記はまだ続いてます!)

いや~楽しかった!満喫しました!最後におなかを壊すというオマケつきでしたが、悔いはありません。

この旅で気付いたことがいろいろとあるので、少しずつブログでシェアしますね。


今回の旅の目的の1つは「自分と向き合うこと」

20年ちょっと字幕翻訳を続けてきて、去年は「映像翻訳者の会 Wakka」を立ち上げて、働き方が少しずつ変わってきました。息子たちも手が離れつつあり(離れるはずの人が離れていない問題はさておき)、人生そのものが大きく動く時期だと感じ、今後の方向性を考えるためにも、いろんなことから離れて自分と向き合いたかったのです。


旅行中の3週間はパソコンこそ持参しましたが、仕事はゼロ。旅行期間とかぶりそうな依頼は辞退させていただきました。こんなに長い旅行中に仕事を一切しないのは初めて!(仕事がなくて3週間空く、ということは何度もあります。)

ちゃんと復帰できるか最初は不安でしたが、戻ってみたら頭と体が覚えていました。20年かけて染みついたものは、そんなに簡単に消えなかった(笑


それどころか、しっかり休んだおかげで仕事したい欲がわき上がり、今は鼻血が出そうな勢いで翻訳しています。やっぱり翻訳は楽しい!字幕翻訳は私の天職!好きな仕事ができて幸せ!そんな気持ちでいっぱいです。


休んだら仕事が来なくなるかも?という不安はフリーランスにつきものですが、たまにはちゃんと休むのも大事。そんな当たり前のことを体感したので、声を大にしてお薦めします♡

やりたい仕事を長く続けるためにも、休める時には、しっかりちゃっかりきちんと休みましょう♪


休める環境を作ってくれた関係者の皆さま、Wakka運営チーム、お手伝いチームの皆さまに心より感謝を申し上げます。ありがとうございました♡

5月に会員限定で「Wakka1周年記念パーティー」を開催します!詳細はWakkaのサイトをご覧ください。リアルにお会いできるのを楽しみにしています♪

1月も終わりに近づいてしまいました。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


昨年から年賀状をやめたこともあり、今年はクライアント挨拶をせっせと行っています。

これについては、また改めて書くとして(大事なネタ)。


いろんな方々と会って話をすると、自分の立ち位置というのが客観的に見えてくるのが面白い。意外だったり、やっぱり?だったり。ブログを読んでくれている方や、Wakkaの活動を追ってくれている方も多くて、嬉しいやら恥ずかしいやら。

そんな中でつくづく感じたのが、私は字幕翻訳者であるということ。


何を今さら、なのですが、字幕翻訳者として認められているから、他のこともできるのです。

私はあれもこれもやりたいし、勢いでやってしまうところがあり、だからこそ実名顔出しでHPを作ってブログを書いたり、Wakkaのような会を立ち上げることもできました。

これを好意的に受け止めてくれる方が多いのは、私が字幕翻訳を20年以上続けてきて、ある程度の評価を受けているから。

字幕翻訳が私の軸なのです。

この軸がブレてしまうと、何をやってるのかよく分からない人になってしまう。

やりたいことでいっぱいな今だからこそ、軸をしっかりキープしなければとつくづく思いました。


今年は地に足をつけて、字幕翻訳の軸を太い幹にする。そのうえで枝を縦横無尽に伸ばす。

これが私の2024年のテーマです。

そして2024年に実現したい枝は、Wakkaラジオを始めること!

私はラジオっ子で動画より音声派なので、気軽に聴けるポッドキャストができたらいいなぁ。

音楽に詳しい会員もいるし、顔出しNGでも声だけならゲストで話してくれそうな方々もいるし、また新しいつながりができるはず♡

というわけで、音声配信に詳しい方がいたら、ぜひぜひ教えてください!


★字幕担当作『ビヨンド・ユートピア 脱北』が絶賛上映中!

アカデミー賞にノミネートされますように!!!