この字幕が好き:『ディア・エヴァン・ハンセン』

やっと観ました! トニー賞を受賞したブロードウェイミュージカルの映画化です。

ここ数年、WOWOWで放送されているトニー賞授賞式の字幕制作を手伝っていることもあり、受賞の瞬間と式でのパフォーマンスを見て注目していました。(トニー賞授賞式はパフォーマンス満載で面白くてお勧めです!)

不安や孤独を抱える高校生のエヴァンが、自分宛ての手紙をきっかけについたウソから、人生を一変させていく物語。一見、幸せそうに見える同級生や家族が抱える悩みや、SNSの問題が浮き彫りにされていきます。

もうね、切なくて胸がキューッと痛くなりました。そんなウソをついたらどうなるか、先が読めるだけにドキドキしっぱなし。

これがミュージカルでよかった。登場人物たちが時には切なく、時にはおかしく、時には寄り添うように歌い、物語を優しく包んでいました。

字幕は大好きな石田泰子さん。台詞が軽快でテンポよくて、さすがでした!

同業の友人はperfectの「申し分ない」という訳にうなっていましたが、私がツボだったのはこれ。

原文:It's like a sex thing?

字幕:ズリネタか? (「ズリネタだろ?」だったかも。うろ覚え。)

「ズリネタ」使いたい! うまいな~! 4文字で済むし。

歌の訳詞もすばらしかったです!

一字一句書き写したいと思っていたら、なんとパンフレットに石田さんの訳詞がたっぷり載っている!

もちろん、即買い。文字の並びまでも美しい♡

よく目に焼き付けながら写経させていただきます。

それにしても、久しぶりの夜の歌舞伎町はちょっと怖かった・・・。いろんな意味でドキドキしながら帰りました。

0コメント

  • 1000 / 1000

旅する翻訳家のお仕事日記

岩辺いずみ   字幕翻訳家&ライター。英語、フランス語を中心に映画やドラマの字幕を手がけています。 カナダに1年、スイスに1年、アメリカに4年、フランスにちょこっと滞在。 翻訳を中心に、映画と旅とお酒の話を綴ります。 息子2人のシングルマザー。 子育ても終わりつつあるので、のんびり海暮らしへ移行中。 ★WORKSの「記事一覧」からブログを開くとコメントを残せます。